エンブリオEmbryo)は、1969年から活動しているミュンヘン出身の音楽集団である。その結成は、1950年代半ばにクリスチャン・ブッヒャルトとディーター・セルファスが10歳で初めて出会った場所、ホーフの頃にまでさかのぼれる。1970年代の重要なジャーマン・ジャズ・ロック・バンドであり、「クラウトロック・バンドの中で最も折衷的なバンド」とも呼ばれている。

略歴

1969年に、マルチ楽器奏者のクリスチャン・ブッヒャルト(ドラム、ヴィブラフォン、サントゥール、キーボード)と、エドガー・ホフマン(サックス、フルート)によってバンドは結成された。これまでに400人以上のミュージシャンがこの集団で演奏したが、チャーリー・マリアーノ、トリロク・グルトゥ、ラメシュ・ショットハム、マーティ・クック、ユーリ・パルフェノフ、アラン・プラスキン、Xizhi Nie、ニック・マッカーシー、モンティ・ウォーターズ、マル・ウォルドロンなどが、さまざまなタイミングで演奏してきた。長年のメンバーは、エドガー・ホフマン(サックス、ヴァイオリン)、ディーター・セルファス(ドラム)、ロマン・ブンカ(ギター、ウード)、ウヴェ・ミュールリッヒ(ベース)、マイケル・ヴェーマイヤー(キーボード)、クリス・カーラー(ギター、ウード、ヴァイオリン、サックス)、ローター・スタール(マリンバ、ドラム)、イェンス・ポルハイト(ベース、フルート)である。

トン・シュタイン・シェルベンとともに、彼らは1976年にドイツで最初の独立レーベル、シュニーボールの創設者となった。

バンドは1979年に、映画『Vagabunden Karawane』に記録されている、バスによるインドへの9か月にわたるツアーを開始した。エンブリオは、ジャジーなクラウトロックから、さまざまなスタイルやトレンドを融合できるワールドミュージック・バンドへと発展した。彼らのアルバムの多くは、4大陸での集団旅行中に生まれた。バンドは、インド(ムンバイ・ジャズ1979)、イングランド(1973年のレディング・フェスティバル)、ナイジェリア(ポート・ハーコート・ジャズ1987)、日本(和歌山1991)など、世界中で数多くのフェスティバルにて演奏した。 2008年7月、エンブリオは「TFFルドルシュタット・フェスティバル」で、ドイツ・ワールドミュージック・アワード・RUTH 2008を受賞した。

1981年、ミュールリッヒとヴェーマイヤーがエンブリオを脱退して「エンブリオズ・ディシデンテン (Embryo's Dissidenten、エンブリオの反体制派)」を結成し、すぐにディシデンテンとなった。

2016年3月にモロッコへと向かう途中、クリスチャン・ブッヒャルトは脳卒中を起こした。それ以来、バンドとともに育ったクリスチャン・ブッヒャルトの娘であるマリャ・ブッヒャルト(ドラム、ヴィブラフォン、ボーカル、トロンボーン、キーボード)がエンブリオを率いている。

2018年1月17日、クリスチャン・ブッヒャルトはミュンヘンで亡くなった。71歳のことだった。

ディスコグラフィ

アルバム

  • 『オパール』 - Opal (1970年、Ohr)
  • 『胎児の復讐』 - Embryo's Rache (1971年、United Artists)
  • Father Son and Holy Ghosts (1972年、United Artists)
  • 『激昂』 - Steig aus (1973年、Brain) ※『This Is Embryo』としても発売。マル・ウォルドロン参加
  • 『ロックセッション』 - Rocksession (1973年、Brain) ※マル・ウォルドロン参加
  • We Keep On (1973年、BASF) ※チャーリー・マリアーノ参加
  • Surfin (1975年、Buk) ※チャーリー・マリアーノ参加
  • Bad Heads and Bad Cats (1976年、April) ※チャーリー・マリアーノ参加
  • Live (1977年、April) ※チャーリー・マリアーノ参加
  • Apo Calypso (1977年、April) ※トリロク・グルトゥ、ショーバ・グルトゥ 1曲参加
  • Embryo's Reise (1979年、Schneeball/Indigo)
  • Life (1980年、Schneeball) ※Embryo / Karnataka College of Percussion / Charlie Mariano
  • Anthology (1980年、Materiali Sonori) ※コンピレーション。1992年に『Every Day Is Okay』としてCD再発
  • La blama sparozzi / Zwischenzonen (1982年、Schneeball)
  • Zack Glück (1984年、Materiali Sonori)
  • Embryo & Yoruba Dun Dun Orchestra Feat. Muraina Oyelami (1985年、Schneeball)
  • Africa (1985年、Materiali Sonori)
  • Turn Peace (1989年、Schneeball) ※マル・ウォルドロン参加
  • Ibn Battuta (1994年、Schneeball/Indigo) ※マーティ・クック 1曲参加
  • Ni Hau (1996年、Schneeball/Indigo) ※Xizhi Nie参加
  • Live in Berlin (1998年、Schneeball)
  • Istanbul–Casablanca Tour 1998 (1999年、Schneeball/Indigo) ※アラン・プラスキン参加
  • Invisible Documents (1999年、Disconforme)
  • One Night in Barcelona (Recorded at the Joan Miró Foundation) (2000年、Disconforme) ※ユーリ・パルフェノフ参加
  • Live 2000, Vol. 1 (2001年、Schneeball)
  • Live 2001, Vol. 2 (2001年、Schneeball)
  • 『ブレーメン 1971』 - Bremen 1971 (2003年、Garden of Delights)
  • Hallo Mik (2003年、Schneeball/Indigo) ※ライブ
  • Embryonnck (2006年、Schneeball/Staubgold/Sound@One) ※with No-Neck Blues Band
  • News (2006年、Ultimate)
  • Live im Wendland (2007年、Schneeball) ※anti-nuclear solidarity concert 2005 in Gorleben
  • For Eva (2007年) ※1967年録音。マル・ウォルドロン参加
  • Freedom in Music (2008年) ※X. Nie参加
  • Live at Burg Herzberg Festival 2007 (2008年、Trip in Time)
  • Wiesbaden 1972 (2008年、Garden of Delights)
  • Embryo 40 (2010年、Trikont/Indigo) ※コンピレーション
  • Memory Lane, Vols. 1-3 (2011年) ※ダウンロードのみ。マル・ウォルドロン参加
  • It Do (2016年、Trikont/Indigo) ※コンピレーション

脚注

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • Complete Discography
  • allmusic biography
  • Gnosis2000 Reviews
  • エンブリオ - Discogs(英語)

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