クランジ」 (The Crunge) は、イギリスのロックグループ、レッド・ツェッペリンの楽曲。1973年、彼らの第5作アルバム『聖なる館』のA面4曲目に収められて発表された。作詞作曲はジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジミー・ペイジ、ロバート・プラント。レコードでの演奏時間は3分15秒。

概要

プラントがボーナムと交したラップ風の会話を元に作られた変拍子ファンク。歌詞の一部はジェームズ・ブラウンの「Take It to The Bridge」を踏まえている。

曲はボーナムが刻むドラムスのビートから始まり、ベース、ギター、シンセサイザーが順次加わる。ファンクとは言っても、9/8拍子と8/8拍子とが交互に現れるため、踊るにふさわしくない、一種のジョークともとれる曲である。

リズムを刻むギターについて、ペイジは「フェンダー・ストラトキャスターを用い、アーミングも行なっている」と証言しているが、レコードで聴き取るのは困難である。

ステージ・パフォーマンス

独立した曲として演奏されたことは無いが、1972年のアメリカツアー以降、「幻惑されて」(Dazed and Confused)や「胸いっぱいの愛を」(Whole Lotta Love)のアドリブ・メドレーに取り入れられている。

ボーナムはこの曲を気に入っており、メドレーの最中に何度もこの曲のフレーズを叩いているが、何故かペイジはなかなか賛同せず不発に終わる公演が続いた。しかしボーナムが余りにしつこくリクエストするので、ある日ジョーンズが折れてベースのパートを弾き始めるとペイジも渋々追従し、遂にこの曲の演奏が実現された。

参考文献

  • 『レッド・ツェッペリン全曲解説』デイヴ・ルイス著 福田美環子訳 シンコー・ミュージック刊

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